コラム
龍について
秋にはいよいよ首里城が完成するという事である。在りし日の琉球王国を想起させる城を見ることを楽しみにしている。その首里城の正殿の龍柱の向きについていまだに議論がある。今のところ前回の再建と同じく向い合せでの設置だという。しかし沖縄タイムスに寄稿された記事(2027/7/2)によると、琉球処分の後の明治期に撮影された古写真には、正面向きで設置されている龍柱がはっきりと映っている。この記事を読んでみると説得力があるのは正面向きの説のように思う。記事の最後に寄稿者の石黒敬章氏は「大龍柱が相対か前向きかの論争は、裏に日本国と琉球王国との隠された問題があるに思える。でも私は国のメンツなどより、沖縄文化を大切にしたいと思う。大龍柱は前向き説に一票を投じる」と記している。彼同様、県外出身の私も同感である。私も正面向きに一票である。
ところで龍は仏教でもたくさん登場している。親鸞聖人が大切にされている7人の高僧の一人も「龍樹菩薩」である。はて、インドにも龍がいたのだろうか。調べてみると龍樹菩薩は「ナーガールジュナ」という名で、この「ナーガ」が龍と訳されているが、インドではコブラの化身だそうである。コブラを見たことのない中国では、龍と訳されたようである。ちなみに西洋の「ドラゴン」は実は龍とは別物で「魔物」であるが、インドと中国の「龍」は水にまつわる善神に由来し、様々な物語に登場している。