「お供えのお菓子」
今月は沖縄別院の報恩講が開催される。
浄土真宗においては最も大切な法要として継承されてきている。
当別院でも設立以来毎年、報恩講を開催してきているが、同じく伝統のある「荘厳」については、県外と同様にというわけにいかない。
特にこれまでアイデアを出し合いながら工夫してきた一つが、「華足」(けそく)と呼ばれる、台に積み上げるお菓子である。県外では「紋菓」と呼ばれる直径5センチ程度の落雁(香菓子)や餅を積み上げるのが定番である。
しかし昨今、あまり食さなくなったので、次第に違う物を御備えすることもあるようだ。
沖縄においては、同じような形にすることが難しい。小さな「コーガシ」を探してみたが、適当なものが見つからない。
また餅は一日置けばカビてしまう。そこで、一昨年までは大きな「コーガシ」を積んでいたが、ウサンデーしてお配りしても、あまり食べないとの声を聞いたので、昨年はシークワァーサークッキーに変えてみた。
本年は何か沖縄の伝統的なお菓子を飾れないだろうかと思案する中で、いくつか試してみた。その中で話題になったのが、沖縄の伝統的な法事のお供えのコーガシやハーガーなどのお菓子も、ウサンデーしても手を付ける人が少なく、余ってしまっているという事である。
そのため最近はレモンケーキなどの洋菓子に替わっているようだ。
伝統と継承といっても、食文化や生活習慣、家族構成が大きく変化する現代にあって、何を継承しているのか、今一度立ち止まって考えることが必要ではないか。普段食べることができない最高のお菓子を、仏壇にお供えしてきたことが本来の姿だと推察する。
もしそうであるなら、皆さんは何をお供えしますか?