コラム

イー ソーグヮチ デービル

輪番 長谷 暢

 

新年 明けましておめでとうございます。
旧年中は、沖縄別院にご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

さて、昨年も暑い夏でした。毎年毎年気候変動の影響でしょうか、これまでにない天候が続きます。
そんな環境の中でも私たちは、快適さと効率を求めて社会生活を送っています。
一方でこれまで伝統とされてきたことが、面倒で、非効率なものとして脇に追いやられつつあります。
そのなかに「法事」や「葬儀」など「ウヤファーフジ(ご先祖)」に関わる行事があります。近年ここ沖縄でも急速に変化していると感じざるを得ません。しかし仏教は決して脇に追いやるようなものではないと思います。

昨年4月にたまたまアップルの元副社長の山本賢治さんの講演をお聞きしました。
世界の最先端の企業であるアップル社、そこは現代の便利さ、快適さを象徴する「スマホ」を生み出し、世界に普及させました。
今やスマホのない生活が考えられないような世代も生まれていますし、私自身もスマホなしでの外出は不安で仕方ありません。

そんなスマホを普及させた人が、講演の中で「私の座右の銘」として紹介されたのが、「The only constant is change」という言葉でした。
これを訳すと「諸行無常」となります。いや、諸行無常が英語にこのように訳されているといった方が正確でしょうか。
九千人もの聴衆の前で堂々と自らの座右の銘として 「諸行無常」と紹介されていることに大変衝撃を受けました。

翻って、私たち何を「座右の銘」すなわち「拠り所」として生きているのでしょうか。
浄土真宗では「念仏」すなわち「浄土」をよりどころとして生きることを、先達から相続してきました。
新たな年を迎え、新たに「座右の銘」を、仏教・真宗の教えの中に探す一年とするというのはいかがでしょうか。

クトゥシン ユタサルグトウ


ウニゲーサビラ