コラム

盂蘭盆~ウランバーナ~

 今月はお盆を迎えます。
沖縄では旧暦七月十五日を中心に執り行われますが、本土では新暦の七月または八月十五日になっています。
「お盆」の起源の一つとして『盂蘭盆経(うらぼんきょう)』という経典があり、そこに七月十五日と明記されていることによります。
ちなみに「盂蘭盆」の語源は「ウランバーナ」という古いインドの言葉で、「逆さ吊りの苦しみ」という意味です。先祖供養とはかなり違うようです。

 さて「お盆」といえば、ご先祖を供養する期間として大切にされていますが、一方で実際はご先祖もいろいろです。
私の命のルーツとしてのご先祖ではなく、男系のご先祖だけという場合や、貢献した人々には手を合わせるが、罪を犯したご先祖や、縁が切れた方々は手を合わせる対象としないこともしばしば見聞きします。

 翻って、今を生きる私たちは、世界に公開できるほど綺麗な生き方をしておりません。
最近はインターネット上で自身の想いや生き方を公開している人もたくさんいます。
しかしそれはその人の人生の一部分、公開しても「よい」部分だけです。だから「裏アカ」と呼ばれる一部の人にしか公開しない匿名の「裏」のアカウントをいくつも持っているといいます。
一体いくつ「裏」があるのか。
街頭インタビューに応える人は4つだ5つだと答えます。
そういえば政治家も「裏」が好きなようで「裏金」が話題になりました。

 お盆の本来の意味は、「あなたは本来なすべきことと逆さまのことをして、苦しんでませんか」という問いかけだと承知しています。
諸仏となったご先祖からの問いかけに、応えていこうとする人生の歩みこそ念仏なのです。